同居しながらの離婚

同居しながらの離婚を検討する場合、以下のことに注意していただくとよいでしょう。

  1. 同居中に離婚を切り出すメリット
  2. 同居中に離婚を切り出すデメリット
  3. 同居中の生活費の確保
  4. 同居から別居に切り替えるタイミング
  5. 同居中でも離婚調停・離婚裁判は可能

1.同居中に離婚を切り出すメリット

離婚の話し合いは、同居中からでも可能です。同居しながら離婚の話し合いをするメリットとしては、

  1. 離婚するまでの住居が確保できる
  2. 離婚後の生活設計をじっくり考えられる
  3. 子の生活を変えずに離婚交渉ができる

などがあります。
離婚前に別居する場合、どこに住むかは大きな問題です。実家に戻ることができたり、援助を得られる場合は良いですが、実家と疎遠であったり、安定した収入がない場合は転居先の目途がつくまで同居するのが現実的です。
また、(養育費は別としても)離婚後は自身の収入で生計を立てる必要がありますので、離婚後の生活設計を現実的に考える必要があります。特にお子様がいる場合、転居しなければ転校せずそのまま学校に通うことができますので、子の生活への影響は比較的少なくなります。

2.同居中に離婚を切り出すデメリット

他方、同居中に離婚を切り出すことは、相当なデメリットも否めません。例えば、

  1. 配偶者との関係性がより悪化するため、日常的な生活が苦痛になる
  2. 配偶者が生活費の支払いを絞る場合がある
  3. 夫婦仲の悪化が子へ悪影響を及ぼす

などがあります。
多くの方が、離婚交渉を別居後(又は別居と同時)に行っているのは、上記のデメリットが大きいからです。既に家庭内別居状態であれば何とか耐えられるかもしれませんが、やはり離婚の話が現実化すると、配偶者は従前渡していた生活費を渡さなくなり、家族カードの使用を停止させる場合もあります。同居中は居所(及び光熱費)の心配はありませんが、日常的な生活費が払われないことがありますので、その点は十分注意が必要です(生活費が支払われなくなった場合、すぐに家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立てる必要がありますが、調停が成立するまで時間がかかりますので、その間の生活費の手当ては必要です)。

3.同居中の生活費の確保

上記の通り、やはり同居中に離婚を切り出す場合は、離婚までの生活費をどう確保するかが重要です。
万が一同居中に生活費が支払われなくなった場合は、すぐに弁護士に依頼して交渉してもらうか、または家庭裁判所に婚姻費用分担調停の申立てをしてください(調停申立て等を行った月から婚姻費用が計算されますので注意が必要です)。

4.同居から別居に切り替えるタイミング

同居中から離婚交渉を始めたけれど、離婚交渉が長引く場合や、配偶者との関係性が悪化し同居に耐えられない場合は、改めて別居を検討することになります。お子様がいる場合はいつ別居に踏み切るか(試験や進学への影響、生活環境の変化への配慮など)、は慎重に検討することになります。

5.同居中でも離婚調停・離婚裁判は可能

離婚の話し合いがうまくいかない場合は、同居中でも裁判所の手続きを利用すること(離婚調停や離婚裁判)は可能です。実際に同居しながら離婚調停・裁判により離婚に至った方もいますので、ご不安な方は一度ご相談ください。

この記事を書いた人 弁護士 大澤美穂子

2005 年 10 月弁護士登録(第二東京弁護士会所属)
クラース東京法律事務所代表弁護士
企業法務、一般民事、離婚などの家事事件、高齢者問題(成年後見、遺言、相続)など広く取り扱い、クライアントのニーズに合った最適な解決方法を目指している。

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